現代日本外交史 冷戦後の模索、首相たちの決断
現代日本外交史 冷戦後の模索、首相たちの決断/宮城大蔵【3000円以上送料無料】
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平成の始まりの海部俊樹以降、第二次政権を得た安倍晋三までの期間の、日本の外交方針なり戦略なりの、大所高所から見た解説を時系列に追いながら、首相らは勿論、側近や随行者、それも相手国側含めた態度や発言、会話を用いて、決断の背景を臨場感たぷりに紹介している。
第3章では、橋本龍太郎政権の代の、クリント大統領との普天間基地の返還合意や、エリツィン大統領との北方四島の返還合意に、思わず期待するも、すぐさま現在を思い返して落胆します。
第5章では、小泉純一郎政権が9.11同時多発テロの後の、ブッシュ政権によるイラク攻撃に際しての自衛隊の派遣や、北朝鮮との国交正常化に向けた交渉での拉致被害者の帰国など、電撃的な成果は残しつつも、これらが成り行き任せであったと手厳しいです。
その後第1次安倍晋三政権から、福田康夫、麻生太郎ときて、いよいよ中国の勢いが増します。
第7章の民主党政権三代では、普天間基地を県外に移転できず、中韓との関係も悪化し、その空回り振りを淡々と述べています。
最終章で、進行形の安倍晋三の第二次政権では、特定機密保護法やら安保法制化での強行採決にさらりと触れたりした後、ここまでを振り替えって冷戦後の日本の外交、安全保障を総括しています。
地政学入門 外交戦略の政治学
開祖と位置付けられる、英国のマッキンダーによる、ドイツ・ロシアの接するあたりを中心とした世界の各地域群の、それぞえの特徴に応じた分類の解説にはじまり、ドイツのハウスフォーファーらによる発展の経緯や、アメリカがモンロー主義を果たすにあたって、大陸両岸の捉え方として、西は易く、東は難きことなどを説明している。
入門としての著作ですが、なかなかに難解で、途中何度も挫けそうになりました。あまり頭に残っていません。
ブラジルの東端について、フロリダとイベリア半島から同程度の距離であるため、ヨーロッパの勢力圏に成り得るとか、なんとなくイタリアの隣的なイメージで捉えていたギリシアも、バルト海からまっすぐ降りてきて東欧諸国と直線上にあるとか、恥ずかしながら今頃になって地理感を改めました。
幸福の哲学 アドラー×古代ギリシアの智恵
幸福の哲学 アドラー×古代ギリシアの智恵 (講談社現代新書) [ 岸見 一郎 ]
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「嫌われる勇気」の著者が、自身の家族との交流における葛藤や確執、受容などの実体験も例に挙げて、アドラーを始めとする哲学者、思想家の言葉を引用しながら、幸福の意味を紐解き、勇気を出して対人関係に飛び込み、何かを成すという行為ではなく、存在によって共同体に貢献することが、幸福に「なる」ではなく、幸福で「ある」ために必要と説いている。
中国4.0 暴発する中華帝国
2000年以降の中国の外交の15年間の変遷を1.0からの3段階に区切って解説する中で、国内しか見ない政治姿勢や、G2の失敗を指摘したうえで、度々「大国は小国に勝てない」という逆説的理論を紹介しながら、4段階目にあたる表題の中国4.0として中国が進むべき外交戦略を提案するとともに、日本に対しては日米同盟に頼ることなく尖閣を守れと結んでいる。