kigyostartupのブログ

読んだことを片っ端から忘れてしまうので、忘れないように、要約を記録することにしました。

こうして知財は炎上する ビジネスに役立つ13の基礎知識

こうして知財は炎上する ビジネスに役立つ13の基礎知識 (NHK出版新書) [ 稲穂健市 ]楽天で購入

知的財産権の解説として、著作権特許権などを構成するいくつかの権利について、様々な事例を紹介するなかで、制度の複雑さを伝えると共に、ビジネスには知財リテラシーが不可欠としながら、用いかたによっては社会の共感を得られず、本来求めてい利益は得られず、かえって不利益に働くことを注意喚起し、時代の変化に会わせた法整備も進むことを期待している。

第1章では、正しく権利を主張しているにも関わらず、世の中の賛同を得られなかった例として、五輪関係の便乗商法対策と、amazonのワンクリック決済、JASRACによる音楽教室での利用を紹介します。

第2章は、パクリの事例として、白い恋人東京ばな奈等の世に知られた商品名、そだねー阪神優勝等の流行語に、村上春樹香山リカ等の人名を使った商標の保護にとどまらず、店の外観や接客方式に至るまでを知財権が及び、それれらを巡る争いの顛末を解説し、中国の模倣問題にも触れ、今後は逆に、すごい勢いで特許を取得している中国から、特許侵害で訴えられる可能性を指摘します。

第3章では、複数者が知財権を共有、委譲等するときの、お互いの認識の違いによって生じる揉め事の事例として、佐村河内守氏と新垣隆氏のゴーストライタ問題や、ひこにゃんを巡る作者と彦根市宇宙戦艦ヤマトの西崎義展氏と松本零士氏の間で生じた問題の背景を解説した後、地産表示制度などに見られる、農産物や食品に纏わる権利保護の実情からジャパンブランドを確立するための国際戦略を持つことを提案する他、知財権の消尽や期限切れといったことも知財リテラシーとして重要と指摘します。

第4章では、抜け道をテーマに属地主義の運用の難しさを述べたうえで、知財が租税回避の手段に使われているという事例として、高島屋Apple,Amazin,スターバックスの行った方法を解説した後、棋譜の配信やオンラインニュースの見出しを使ったまとめサイトの例から、創作性はなくても価値あるデータを守るための法整備に期待します。